【社員Interview】「圧倒的な社会的大義」を感じ、マッキンゼー、楽天からランサーズに参画:取締役 曽根 秀晶
【プロフィール】
東京大学建築学科を卒業後、パリ・ラヴィレット建築大学、ブリュッセル・サンリュック建築大学への交換留学を経て東京大学大学院工学系研究家建築学専攻を卒業。
マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、経営コンサルタントとして、小売業界・ハイテク業界を中心に海外市場戦略、新規事業戦略、マーケティング戦略、オペレーション改善など20を超えるプロジェクトに従事。
楽天株式会社に入社し、国内営業・国内事業戦略を2年弱、海外のM&A・PMIを2年、全社企画・戦略を1年弱の期間担当し、全社の下流から上流までを幅広く経験。
ランサーズ株式会社に参画し、取締役として経営戦略の立案、新規事業の推進、コーポレート部門の統括を担当。
失敗を続けて得られたもの
―曽根さんは新卒でマッキンゼーに入社しましたが、印象的な仕事はありますか。
1年目は失敗の連続でした。とあるプロジェクトでは失敗が続きすぎて、完全に自信をなくして、1時間ぐらいトイレから出てこられなかったこともありました(笑)。なぜ失敗したかというと、座学で学んだことを、実務でまったく実践できなかった。例えば「仮説思考」という仕事の進め方。とある保険会社の戦略プロジェクトで、「海外進出をするとしたらどの市場に行くべきか」という経営課題に対して、仮説を持たないまま、いつの間にか調査のためにデータを集めることを目的化してしまっていたんです。それで、最終プレゼンが2日後に迫ったタイミングで、マネージャーに「まだデータが全部集まっていないんです。不足しているデータは・・・」と報告し始めたら、即座に「クライアントが知りたいのは、自分たちがどの市場に進出すべきかっていう結果だよね。その仮説もないまま調査やってるの?」とこっぴどくしかられました。頭ではわかっていたつもりだったけど、「仮説思考」というのはそういうことか、と。ガツンとやられました。でも、このような失敗の連続があったからこそ成長できたと思っています。
―その次の楽天ではどのような業務をされていたんですか。
楽天では現場の営業から全社の経営戦略まで、まさに端から端までやらせてもらいました。楽天が海外への積極的な事業展開をかかげる中で、海外の子会社や買収対象先の企業を飛び回ったり、国内外から集めたCEOや幹部たちを前に全社の中期計画・戦略をプレゼンしたりなどしましたが、楽天に入って最初の仕事は、楽天市場の現場のド営業でした。広告を売るのに、1日60本とか電話をかけるんです。それまでのマッキンゼーでのやり方で、顧客のことをよく調査して、商品の勉強をして、信頼関係を築いて・・・というやり方でやろうとしたら「顧客調査も商品知識も必要ないから。とりあえず売ろう!」と言われて。「そんなんじゃ売れないでしょ」と思うわけですよ。そうしたらとなりの席の新人君がすぐに電話をかけて「○○さん、この広告、どーんと売れそうじゃないですか。やりましょう!」なんて話して実際に広告をとってきちゃうわけです。衝撃でしたね。売れるかどうか考えるよりも先にまず行動してみる。コンサル時代は仮説を立ててそれを検証するためにまず分析をしていたわけですが、楽天では、「仮説→実行→検証→仕組み化」で、分析・検証するよりも実行することが先。売れると思ったらまず売ってみる。最初はかなりとまどいましたが、それまでの考え方を一度忘れて、ひたすら電話をかけて営業をやっている中で、それまで見えなかったものが見えた気がしましたね。
「ヒトではなくコトに向かう」姿勢に共感
―会社を移ろうと思ったきっかけはなんですか?
25歳の時に、35歳までの10年間のロードマップを作ったんです。35歳をひとつのマイルストーンにおいて、その3年前までに、マイルストーンに向けてアクションしようと考えていました。実際32歳になって何がしたいと考えた時に、楽天に入ってから自分が言っていた「一億総デザイン社会」っていうコンセプトに思い至ったんです。一億総消費社会、一億総表現社会の次は、一億総デザイン社会がやってくるんだ、と。僕自身は建築を専攻していたこともあって、デザイナーに興味がありました。デザイナーとかクリエイターとかで、個人としてすごく優秀な人はいるんですけど、なかなか食えない。この人達だったらもっとその能力を世の中で発揮できると思っていたんですね。楽天では、インターネットショッピングモールから始まって、地方の商店など中小企業をエンパワーメントすることがミッションだったんですけど、この「エンパワーメント」という考え方を、個人にあてはめたら面白いんじゃないか、と。自分の中では、消費のオンライン化をリードしてきた楽天から、労働のオンライン化をこれからリードしていくランサーズへ、ということですごくストーリーの親和性を感じましたね。
―ランサーズとはどんな縁があったんでしょうか。
入社する4カ月くらい前にオフィスに遊びに行ったのですが、そこで代表の秋好に会いました。話している中で、物事に対する向き合い方に共感できた、というのは大きかったですね。すごく前向きで、ヒトでなくコトに向かうんです。たとえばうまくいかない時に、「あいつのせいだ」じゃなくて、「どうやって解決すれば前に行けるか」を考える。反対に、いい時は、「あのひとのおかげだね」っていうのも大事なんですけど、「何をどうがんばって成し遂げられたのか、どう横展開できるか」と考える。人のせいにするのは楽なんですよ。逆になぜそれが起きたんだろう、と考え続けることはつらいんですけど、そのぶん発展性がある。ランサーズの「個のエンパワーメント」というミッションは自分の描いていた世界観をまさに表していたし、ベースとなる考え方において共感できる仲間がいる。こう感じてランサーズへの入社を決めました。
圧倒的な社会的大義を、ぶれずに、愚直に、淡々と。
―ランサーズってどんな会社ですか?
圧倒的な社会的大義をかかげて、ずっとぶれずにやってきた会社って、そんなにないと思うんですよね。「個のエンパワーメント」というミッションがあって、「時間や場所にとらわれない新しい働きかたを創る」というビジョンがある。想いはあっても、なかなか顧客に価値のあるサービスを提供して、収益のモデルをつくって、収益をまたサービスへの投資に還元するというサイクルって、なかなか回せないんですよね。それをランサーズは愚直にやり続けている。成長中のベンチャー企業というと、イケイケで、一攫千金あてるぞ、というイメージがあるかもしれないけど、そんなことはない。泥臭く、愚直に、真面目に、誠実に事業をやり続けて、社会に対して価値を提供して、お客さんに喜んでもらって、新しい世界を作っている。大きく誇張することなく、淡々と、しっかりとやっているというのは素晴らしい姿勢だと思うし、そういうところに共感している人が多く集まってきていると思っています。
―ランサーズに入社していかがでしたか。
入社直後に「ランサー・オブ・ザ・イヤー」という、ランサーズで「新しい働き方」を体現し、次世代ワークスタイルのロールモデルとなるフリーランスの方々を表彰するセレモニーを初めて開催しました。入社する前から企画準備していたんですが、実際に会場でセレモニーが始まって、まさにビジョンがそこにあるという肌触りを感じたんです。受賞者の皆さまが、壇上でのスピーチで、家族への感謝、働くことへの思い、将来やりたいこと、それらを一つひとつ、詰まりながらも自分の生身の言葉で語っていたんですよね。そういう機会に立ち会えることってそうそうない。ランサーズの行動指針にも掲げている「ランサー第1主義」を貫いて、ユーザーさんに対してしっかりと価値を提供できているという実感を覚える。入社直後にそういう瞬間に立ち会えたのは素晴らしかったですね。
来たれ!トンガリのある羊たちよ
―ランサーズにはどんな人が多いですか。また、どんな人に入社してほしいですか。
ちょっと言葉に語弊があるかもしれませんが、「トンガリのある羊」が多いですね。個人主義のように見えて結構みんな群れるのが好き。イベントや合宿がみんな好きです。群れることで同質化しているわけではなくて、結構、趣味とかファッションとか、トンガリのある変な人も多いんですよ。元社長をやっていましたという社員も7人ほどいますし。素直でポジティブな思考ができるのであれば、トンガリ人材はウエルカムです。トンガリすぎちゃって外れてるから、なかなかチャンスがめぐってこないという人もぜひランサーズの門を叩くことを考えてほしいですね。そういう人たちと、ランサーズのビジョンを体現すべく、一緒にどんどん新しいチャレンジをしていきたいです。